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ちょうど満開になった菖蒲田のハナショウブ(花菖蒲;アヤメ科アヤメ属)です。江戸系を中心とする約70種類の花菖蒲が植栽されています。普段は静かな雰囲気ですが、この時期だけは華やかな景観に多くの人が見入っています。 |
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花菖蒲の系統研究は小石川植物園を中心として進められてきました。花菖蒲には地域ごとに独自の発展を遂げてきた3つの系統(江戸系、伊勢系、肥後系)があります。現在、園内の温室前の所で古典的な花菖蒲が展示中です。 |
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江戸系の「五湖の遊」。江戸系は江戸時代に変異個体を元に改良されてきた品種群で、群生美を鑑賞します。 |
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伊勢系の「朝日空」。伊勢系は伊勢松阪地方で発達した品種群で、垂れ咲きの三英花とか花弁の縮緬地が特徴。 |
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梅雨空にはアジサイ(紫陽花;アジサイ科アジサイ属)がよく似合うとされています。この時期、園内各所ではいろいろなアジサイの花が咲いていますが、多くはわが国固有種のガクアジサイです。 |
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ガクアジサイ(額紫陽花;アジサイ科アジサイ属)は日本固有種で房総半島、伊豆半島、三浦半島などの海岸地に自生します。花序を見ると、中心部の多数の両性花の周りに装飾花が額縁のように縁取っています。 |
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北米原産の常緑高木タイサンボク(泰山木;モクレン科モクレン属)。大木の樹上に威風堂々の白い大きな花が上向きに咲き並んでいます。木の下からはよく見えませんが、花の中心部に黄色の雄しべが密生します。高所に神々しく咲くタイサンボクの花は神々しい風格を感じさせます。 |
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花の中心部に黄色の雄しべが密生している様子が分ります。この写真は2013年6月に皇居東御苑にて撮影。 |
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春先に美しい花を咲かせていたウメ(梅;バラ科スモモ属)の木に梅の実がたわわに成っていました。このウメの品種は豊後で、豊後梅とも呼ばれます。豊後梅は大きな実が特徴で梅酒や梅シロップによく使われます。 |
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この季節、いろんな草本の花々も見かけます。熱帯アメリカ原産の一年草シロアザミゲシ(白薊芥子;ケシ科アザミゲシ属)。透き通ったような白い色で妖美な感じがします。茎や葉にアザミのような鋭いトゲがあって、間違って触るとピリッとした痛みを感じます。 |
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ハタザオキキョウ(旗竿桔梗;;キキョウ科ホタルブクロ属)。ヨーロッパ原産の宿根草。旗竿のようなまっすぐな茎に、うす紫色の小さな花が連綿と付いています。 |
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ドクダミ(毒溜、十薬;ドクダミ科ドクダミ属)が草むらに群生しています。ドクダミは道ばたや草むらの半日陰地に分布する多年草。葉茎に独特の強い匂いがあるが、様々な薬効があり、腫れ物、皮膚病などに利用されます。また、北米東部に分布する多年草のオオムラサキツユクサ(大紫露草;ツユクサ科ムラサキツユクサ属)もポツポツと交じっています。 |
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近所の白山神社を回ってきました。神社へは石段を上って境内に入ります。あじさい祭りが開催される直前でしたので、まだ静かでした。この白山神社は、江戸時代に小石川植物園内にありましたが、5代将軍綱吉の屋敷造営のため、現在地に移ったとのこと。白山神社はこの縁で、綱吉と生母桂昌院の厚い帰依を受けたと言われています。 |
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この時期、白山神社の境内から隣接する白山公園にかけて、約3,000株のアジサイが咲き誇ります。ガクアジサイ、ホンアジサイ、カシワバアジサイなど多様な紫陽花を楽しむことができます。ユリの花も交じっています。 |
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境内に中国革命の父といわれる孫文の座石の碑が建っています。かつて孫文はこの石に腰掛けながら、たまたま夜空に流星を見て、祖国の革命を心に誓ったとされています。 |